数年前、現代美術の作品審査にこんな作品を出した。
4畳半くらいの真っ白な大きな布。
真っ白なペンキを塗って
1枚の大きなスクリーンにした。
一見するとなにも描かれていないよう。
けれど壁にかけられたその作品の前に立つと
何かが見えてくる。
その何かとは、心に映るもの。
真っ白なスクリーンの前に立ったときはじめて
自然に心に浮かんでくるものがある。
それがあなたの心にあるもの。
作品は心にあるものを見るための装置。
今、なにが見える?
こういう作品。
生きてると、いろんな出来事がある。 嫌なこと、嬉しいこと、たくさんある。
そのひとつひとつの出来事に 意味をつけているのは自分。
「外を歩いて転んだ」 という出来事ひとつとっても
「自分の足で歩けてる、嬉しい」 って思うか 「転ぶなんてツイてない。もう歩くのやだ」 って思うか 選んでいるのは自分。
どう思ってもいいの。 無理に変える必要はない。 そこにいる そのままの自分を知ることが大切。
まず、 心に映ったものを見て そのままの自分を知る。
そこからはじまる。
変えていくのは次の段階ね。